1946年1月13日にピースというタバコが発売されたことから、今日は『ピース記念日』または『たばこの日』になったそうです。愛煙家としては「ほう」と唸りたいけれど、7割以上を占める非喫煙者ないしは嫌煙家にすれば「ふむ」と眉をしかめるかもしれませんね。話し難い話題だな。
さておき、1946年の1月と言えば、前年の夏に戦争が終わってから半年足らず。朝ドラ『ブギウギ』もちょうどその時期に差し掛かっていますが、当時の日本は本当に貧しかった。そんな時勢にもかかわらず、手に入れるのが困難な配給品ではなく、誰でも好きに変える自由販売品としてタバコをつくる案が浮上しました。しかも名称やデザインは懸賞付き一般公募。どれくらい盛り上がったんだろう。
公募で1位になったのは『New World』。けれどデザインがイマイチだったらしく、次点2位の『Piece』が選ばれました。でも、この逸話ちょっと出来すぎじゃない? と思ってしまったんです。だって、ほんの数カ月前まで敵性語として英語を禁じていたんですよね。なのにいきなり新世界や平和を意味するイングリッシュ案が寄せられるなんて、どうなんだろう。って、疑うのはよくないか。いずれにしても戦後間もない人々が望んでいたものには違いないはずだし。
そうして発売されたピースは、10本入り7円。既存品が同じく10本入りで20銭から60銭で流通していた当時では高級品扱いされたらしい。現在も続く紺地に金の鳩をあしらったパッケージに変更されたのは1952年4月。手掛けたのはアメリカ出身のプロダクトデザイナーであるレイモンド・ローウィ。赤丸のラッキーストライクもデザインした方だけに、ギャランティが目ん玉飛び出るほど高かったそうです。しかし彼の案を採用したら、年間売上本数が約6倍に爆上がり。戦後復興期の日本において、商業デザインの重要性を知らしめる一件になりました。
というようなタバコのエピソードが、この時代にどれほど響くかはわかりません。東海道新幹線から喫煙ルームもなくなるというし。だからマイノリティになった愛煙家だけでこっそり語り合います。こんな話をしたら、久しぶりにピースを吸ってみたくなるねと。

ツバキですね。この時期にも咲くんだろうけど、今年の冬はあでやかな花が目につきます。
