最近まるで泣いてなかったなあと気づいたのは、ぽろぽろと涙がこぼれたあとでした。昨年の2月に公開されたというアニメーション映画の『BLUE GIANT』。すでに完結している漫画作品の高評判は耳にしていました。その時点で手に取ればいいのだけど、なぜかコミックス方面に触手が伸びない性質ゆえ、良作を見逃すのは僕の悪いところです。
そうして同作が映画化されたのも、やはり昨年の今時分に知りました。そのときに興味を覚えたのは、音楽を担当するのがピアニストの上原ひろみさんだったことです。それだけでジャズを題材にしたこの作品の意気込みの強さを感じました。
なのに、映画館にも足を運ばないから、完全に話題の旬を逃すことになる。でも、何であれ観たんだから良しとします。
内容の紹介はしませんが、主人公たちのステージシーンには激しく心を揺さぶられました。エンドロールのクレジットから調べたのですが、上原ひろみさんを含め、名うてのミュージシャンが演奏していたんですね。ウチのテレビでも鬼気迫るものが感じ取れました。しかし、漫画では紙の上でそれを表現していたわけですよね。全巻拝読したくなるなあ。
さておき思わず涙がこぼれたのは、音楽が鳴っていないところでした。これまた詳細を遠ざけますが、端的に言えば人に努力が認められた場面です。それに絆されるのは、登場人物の友人にでもなったような、「頑張ったもんなあ、お前」という親近感が湧くからでしょうか。あるいは、自分自身が何かにつけヘタッピ側の人間という自覚があるせいでしょうか。
ただ、そこで泣かなくてもいいだろうと思ったりもするのです。作品自体を卑下するつもりはまるでないけれど、流れを追っていれば、やがてそういうシーンが登場するのは予測できるから。にもかかわらず涙腺が刺激されたのは、たぶん僕自身がそろそろ泣きたいと思っていたからでしょう。もちろん天邪鬼な性格なので、泣き場を用意されたらむしろ抵抗しますが。
絶望の淵に直面して落涙するのはご免だけど、素敵な物語で泣くのは爽快ですよね。『BLUE GIANT』、よかったです。アニメで泣くことは滅多にないな。いずれにせよ、感動で泣いたあとってめちゃくちゃ解放感がありますよね。もっともっと泣きたいなあ。

大雪警報の名残を撮ろうとローアングルを構えて、ふと人の視線が気になった。
