生身の僕にできることを

最先端技術に感心し、やがて戦々恐々となった話です。
「生成AIを活用した金融業界の未来」というようなパネルディスカッションを見ました。テクノロジー関連に疎い僕にも、年に1度か2度はそんな方面のお仕事依頼が舞い込みます。
そもそも生成AIとは何かという大基本を調べてから取材に臨んだのですが、データのパターンや関係性を学習して自ら新しいコンテンツをつくる=生成する人工知能のことらしく、もっとも有名なのが昨年あたり登場して話題になったChatGPTだそうです。
その、打ち込まれたテキストに応じて最適な回答を提供するChatGPTを元にすると、この先の展開がわかりやすくなるかもしれません。僕はそうしました。
様々な問い掛けに応じる生成AIを金融業界でどのように使うか。具体的な一つの方策は、コールセンターでの活用だそうです。たとえば投資を始めたいユーザーは、初心者ゆえ不明点ばかり。なので金融機関の人に直接話を聞こうと電話する。説明書きを読むよりは、人のほうが親身になってあれこれ察してくれると思うから。その要望に応えるコールセンターのオペレーターの仕事を、今後は生成AIが引き継ぐというのです。
問題は、どんな質問にも即座に答えられる速度と応用力を持てるか。それから、いかにも機械と会話するような無味乾燥な気配をいかに抑え込むか。何しろ電話の主は生身の人間なので、何を言い出すか読み切れないし、有体の対応では不信感や嫌悪感を抱きかねない。
そうした不安を解消する生成AIのデモに驚愕しました。音声対応の速度が極めて高い上に、口調まで滑らか。言われなければ人間が話していると思うほどです。仮想キャラクターのアバターを使う例もあって、これも口元の動きが素晴らしい。
僕がもっとも恐れを感じたのは、肉声による言語化能力の凄まじさです。繰り返しになりますが、僕の想像をはるかに超えて速かった。生成AIが普及すると、言語関連の仕事が人間から奪われる話は前にも聞きました。とは言え、その場の空気を感じた臨機応変が肝になるインタビューはまだ無理と高を括っていたのだけれど、かなりヤバい気配を感じ取ってしまったのです。生涯現役を望む僕にとって、非常に深刻な敵になりそうです。いや、なるな。間もなく。
SF映画みたいな人工知能vs人間の戦いはすでに始まっている実感を覚えました。だからこそ、生身の僕にできることを真剣に考えなければならないのでしょう。間に合うといいけれど、それにしてもおっかない時代になったもんです。

富士山に次いで“ひょっこり見えるとうれしい”第2位は東京タワー。

 

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