興味深い記事と出会いました。昨年の今頃に広く伝えられたらしいそれは、虫が光に集まる理由の研究結果です。
研究から導き出されたのは、虫の背光反射という特性だそうです。極めて体重が軽い虫は、どうやら重力を検知する機能がなく、空から射す太陽光を背中に受けることで、この地上の天地を確認しながら正しい姿勢で飛べるらしいんですね。研究では、虫の側面や下側からも光を当てたそうです。側面だと、光源の周囲をぐるぐる飛び、下側だと失速墜落。その結果からも、背光反射が立証できたとか。
気になるのはここから。虫に背光反射の特性があるとすれば、特に夜間の人工的な光は迷惑以外の何ものでもないんだそうです。本来は、正しく飛べないからじっとしている夜間に、太陽と勘違いする光を見つけてしまったら飛ぶ他になくなる。なおかつ人工的な光源は一部分しか照らさないから、その光の中に囚われて逃れられなくなるというのです。
おそらく虫たちは、「なんで俺たち飛んでるんだ? こんなに疲れるのに」とはボヤかないでしょう。それが抗いようのない本能的特性だから。なのに人間はそれを利用した誘蛾灯など発明するものだから、本能によって絶命する仲間も大勢いるわけです。なんて気の毒だろうと思ったりします。
どうしようもなく囚われてしまう本能的特性が僕にもあるだろうか。そう考えて真っ先に浮かんだのが、前にも書いた覚えがあるガイノイド脂肪の誘惑でした。ガイノイド脂肪とは、思春期を迎えた女性が女性らしい体型をつくるために蓄え始める脂肪です。いわゆる丸みを帯びた体は男性を惹きつけるので、総じて種の保存には不可欠な本能的メタモルフォーゼだそうな。
この話を聞いたとき、合点がいきました。だから僕は見てしまうのかと。とは言え、本能に理性を着せることで社会を成り立たせている僕らは、持って生まれた特性をさらけ出して生きるわけにはいかない……。
虫の気の毒を慮るなら、夜間の人工的光源は控えめにすべき。では男の僕を思いやってもらうなら、果たして何を求めるべきなのでしょうか。って、すみません。こんなオチで。

他方、八重桜はふさふさと大満開中。
