9年って

一昨日の新幹線往復は豊田市のゴルフ場が取材地。名古屋駅からレンタカーで現地に向かいました。そのゴルフ場は前にも訪れたことがあるのだけど、そのとき誰とどう行ったかが思い出せなかったのです。あるいは単独だったんじゃないか? いや、ちょっと風変わりな撮影をしたのは確かだから、プロのフォトグラファーが同行したはず。それは誰? そんな記憶の曖昧さがずっと気持ち悪いままでした。
「トナオさんと初めてロケに行ったのが、今回のゴルフ場でした」
名古屋駅で落ち合ったフォトグラファーが、僕が何も言わないうちに突然切り出したので驚きました。彼のスマホに、その際の連絡メモが残っていたそうです。
「2015年の8月でした。集合場所や時間を指定してくれたり、新幹線のチケットまで手配してくれて、あの頃のトナオさんは優しかったですね」
今でも時折いっしょになる彼の嫌味が笑えたのは、僕がすっかり忘れていた同行者と再び同じ場所に向かう奇妙さがひとしきり収まったあとでした。
9年って、決して短くはないけれど、長大とまでは言い切れない、いささか中途半端な時間です。ただ、9年前を考えてみると、50代前半だった僕と30代前半だった彼、つまり経験豊富なベテランと、本格的にキャリアを積み上げていく世代では、ひとつの仕事の印象度合いが違うのかもしれません。ゆえに僕は忘れ、彼はしっかり覚えていた。
そして彼は、この9年間で3人の娘の父親になったことを車中で話してくれました。三姉妹なんて大変と言えば、今は補助金制度が充実しているので、お金の面ではそれほど苦労しないとか、それは同じ時間を過ごしながら僕には無縁のままの体験談でした。
やはり愕然となります。決して短くはなく、かと言って長大でもないと感じた9年で、三人の女の子がこの世に生を受け健やかに成長していると聞かされると、短絡的ながらもオレは何していたんだろうと思わざるを得なくなります。何もなかったわけじゃないんだけど。
その9年前の記憶が明るみになったことと、僕と彼の9年間の違いが判明したその日のことは、たぶん忘れません。ただ、現時点から9年後を考えるのはやめました。それは30代でも40代でも50代でもそうだったけれど、想像して落ち込むのが嫌だからです。だって9年後って、70代ですよ。おっかないでしょ?

こちらが一昨日の仕事風景です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA