あなたに恥じないように

浮世と申しますか、この世界には腹立たしいことや納得のいかないことがたくさんあります。
たとえば、一向に決め手を見つけられないまま、だらだらと時を費やしている政治資金規正法改正。それに着手することになったのは、あの裏金事件でした。ゆえにこの法律改正は、誤解を承知で言えば盗人が盗人のためのルールをつくるようなものなんですよね。そりゃ盗人一味に決められるはずはないし、つまるところ議論の的は、どれくらい盗めば罪にならないかとなる。いやいや、盗み自体をなくしたり起きなくさせるところから始めるべきだろうと。
それよりも……。
またまた朝ドラ『虎に翼』に関する話です。ネタバレの恐れありなので、録画を溜めている方はご注意ください。
さておき、この2週あたりは例によって、昭和史において脱出不可能な戦時中が舞台になりました。主人公の虎子の夫も出征し、辛い別れが訪れた。何しろ入れ込んで観ていますから、戦争が終わったら夫が帰ってこないかと祈ったわけです。ドラマとして、それじゃあまりに安易な展開になるだろうと思っていても。だからせめて、傍観者として黙って物語が進んでいくのを見届けたかった。
「帰ってこないよ。史実がそうだから」
これは先週あたり、ある人が飲み屋で放った一言。なぜその場で朝ドラが話題に上ったんだろう。そんなことはどうでもよくて、いくらアルコールが入っていたとしても、言っていいことと悪いことの分別は忘れずに飲んでいただきたい!
そんな憤慨が抜けきらないまま、今週末後半の放送を見ていたら、死亡通知が届いたはずの夫が現れそうな場面が出てきました。「ほらほら、何もかも史実に則るわけじゃないんだ」と反撃する手札を得たかと思いきや、それは寅子の心の中にいる夫の描写だった。そんなこんなで二重の痛みを覚えたりしたわけです。
6月1日は衣替えでしたっけ。これを機に夏服を着る習慣がどこまで残っているか、よく知りません。ただ、そういう節目と縁のない立場だと、だらだらと時を費やすように日々を過ごしそうです。あなたに恥じない個人的史実を積み重ねなければね。

彼らの季節。

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