進化の謎を解きたいという人間の欲求は

数日前の昼間にたまたま見た『東京ロストワールド 秘島探検の全記録』。あとで調べたらBSのそれは、2018年あたりにNHKスペシャルとして放送された番組の総集編みたいでした。DVDも発売されているらしい。
さておき僕がつい見入ってしまった『全記録』のあらすじはこうです。1973年からの火山活動によって突如陸地を形成した西之島。それを島の始まりとして、約4千万年前にできた父島列島、約3万年前の南硫黄島。そしてリンゴにたとえるなら芯しか残っていない2万年前の孀婦岩(そうふがん)を訪ね、島に宿る生態系の進化経緯を調査。その記録というわけです。
どの島も東京都に属しているのがまず驚きでしたが、中でも南硫黄島。海に浮かぶおむすびみたいな素っ頓狂な形ながら、標高約900メートルの中腹には常に雲がかかり、ここには太古の生物が棲んでいるとか、世界征服を企む秘密組織の隠れ家だと言われたら信じてしまいそうな、いかにもミステリアスな島なのです。
そこへの上陸も困難なら、海からいきなり切り立つ山というか岩を登るのも困難。しかも確か2週間だったか調査隊が滞在するための水や食料も運ばねばならない。さらには外界からの異物混入を避けるため、島に入るには全員が一度海を泳いで物理的に体を清め、上陸後は新品の衣装で活動。排泄物はどうするのかと思っていたら、それもすべて持ち返ったのだとか。なんとまあ大変なこと。
そうした科学系のプログラムがけっこう好きです。事実の一端が明らかになっていく瞬間はもちろん、科学者たちの無邪気すぎる好奇心が高まっていく様子も興味深いから。そう、ほぼ垂直の岩山を登るのにプロのロッククライマーが調査団に参加していることにも感銘を受けました。
その一方で、「放っておいてもいいんじゃない?」という思いも沸くのです。進化の謎を解きたいという人間の欲求は、たぶん自然にとっては迷惑でしかないだろうと。現に僕らは自分たちが住みやすい形に環境を変え、その改造によって自分たちの未来を危ぶむようになった。
ではなぜこの星は、あるいは神は、人間をこの地上に降ろし給うたのか? 生命の誕生という壮大な謎解き役を任せるため? どうなんだろう。ただ、進化というものに素直な興味を覚える感覚が僕にもあり、あれこれ考える機会を与え給うとするのがそれら科学の役割なのかもしれません。さて、どう思います?

赤くなる途中? それとも赤くなれない途中?

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