敗者だからこそ語れる希望

始まって数日のオリンッピクも時事なので、今はまだ触れないほうがよさそうです。それ以前にパリとの時差7時間は大きな壁となっており、各競技をリアルタイムで観戦できていない点でも語る資格はなさそうです。
なのだけど、何か喋りたい気持ちは抑えきれない。そんなわけで録画のダイジェストを中心に追っかけていますが、個人的に興味を引かれるのは、試合後の選手のコメントです。今回は、期待された日本人選手の早めの敗退が目立っていますが、卓球の混合ダブルスもそのひとつ。その混合ダブルスに出場した張本智和選手が男子シングルス1回戦で快勝したあと、こんなことを話していました。
「あの後悔は一生忘れることはできない」
「あの後悔」とは、言うまでもなく2日前の1回戦負けを指しています。壮絶だと思いました。21歳になったばかりなのに、もう一生を語ってしまえることが。そんな覚悟を言葉にできるのは、一度の勝ち負けで人生の天国と地獄を味わってきた人だからこそ、なのでしょう。
張本選手の発言がそうだとは限りませんが、僕はどうも敗者の弁に関心があるようです。理由を推測すると、勝者のそれよりは聞く機会が少ないからではないでしょうか。聞くのも難しいんですよね。競技関連の仕事は今でも続いていますが、好結果で終えた選手のインタビューをするのは、ある意味で誰でもできると思うんです。聞かれたほうも誇らしいし。しかし芳しくない結末を迎えた選手には、近寄るのさえ憚ってしまいます。そっとしておいたほうがいいと気遣ってしまうし、あるいは聞かれる側も言い訳するようで嫌かもしれない。
それでも僕は聞きたいのです。敗者だからこそ語れる希望が必ずあるはずだから。確信できるのです。望むはずもなかった絶望の中で自ら光を見出そうとする彼らの姿勢に、僕らがそれぞれの人生を生き抜くために必要な勇気や知恵が必ず潜んでいると。
「そんなもの、オリンピック開催中に誰が読みたいんだ?」
頭の固い編集長なら、そんなふうに一蹴するだろうな。それも一理。だから僕が知りたい話は、しばらく時間が経ってから聞くのがよさそうです。敗者の言葉を集めた本とか出せたらいいですよね。僕は意外に売れると思いますよ、編集長。

異常に暑い日でも最後にこんな空を見せられると、ねぇ。

 

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