理不尽を飲み込まないでいると

野球のメジャーリーグは、オリンピックどこ吹く風で熱戦の最中。この時期の見どころは、日本時間で7月31日を期限とした駆け込みトレードです。日本のプロ野球にはない慣習ですが、彼の地ではシーズンのほぼ真ん中で大規模な選手の入れ替えが行われます。目的は、後半戦に向けたチーム戦力を改めるため。要するに、春の開幕戦からオールスターゲームを挟んだ夏のこの時期まで戦ってみたけれど、今のままじゃ勝ち抜けそうにないので選手を変えてみるわけです。
確かに合理的な考え方ではあります。でも、選手を駒のように動かすのは理不尽ではないかと思ったりもします。しかし、トレードされた選手は何食わぬ顔で別チームのベンチに収まっていたりするんですよね。敵チームのユニフォームをまとっているにもかかわらず。
そういう様子またか慣習に対しては、やはり見方を改めなければなりません。そもそも選手はメジャーリーグという大きな会社の社員であり、チームは各地に点在する支社にすぎない。だから個々の選手には企業内の異動に異論を挟む余地が与えられない。
そう書いてしまうと、夢も希望もない感じですね。もちろん、どんなに優れた才能を持っていても、戦う場がなければ何も生かせないから、大きな仕組には従わざるを得ないのだろうけれど。
そんな愚痴めいた考えは、昨年の7月末に浮上した大谷翔平選手トレード説の際にも吐きました。たぶん、転勤とか異動とか、自分以外の意志で働く場所や生活の拠点を変えられるのが怖いんだと思います。その文脈に添えば、僕は臆病だからフリーランサーでいるのかもしれません。
ただ、大きな仕組の理不尽を飲み込まないでいると、「先日お話した取材の件ですが、あれこれもろもろあって無しになりました。すみません」と、すまない気持ちがまるで感じられないカラッとした声で伝えられる場面に遭遇したりします。そういう理不尽は何度も飲み込んできた、なんてのは完全な愚痴なので、聞かなかったことにしてください。
そうではなく、このタイミングでトロントからヒューストンに移った菊池雄星選手には、後半戦もぜひ頑張ってほしいと、今日はそれを言いたいだけなのです。 

新5千円札、はじめまして。新1万円札はいつかな。

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