昼前にインターフォンがピンポ~ン。音を発する機械にはモニターも備わっているので、来客を告げると同時にドアの外の景色もいきなり映ります。あれが作動するのは常に突然ですね。僕はシャワーを浴びようとするタイミングだったから下着のパンツ姿。こりゃいかんと、慌てて部屋着の短パンを穿き直そうとしました
ドアの上部にあるメーターの付け替え工事だそうです。それが行われることは、1週間くらい前にお知らせ通知がポストに入っていたので、「ああ、それね」と不審には思いませんでした。だけど、あれは怪しまれないための慣習なのでしょう。係の人はインターフォンのカメラに向かって身分証明書しか映さず、最後までご尊顔を拝ませてくれませんでした。
その身分証明書に記された文字が小さい上に、カメラの露出と合わず白く飛び気味で、画面に近づいてもなんて書いてあるかよくわからない。なおかつ顔写真が貼ってあっても、ご当人の顔を見せてくれないから照合もできない。この不審を払拭するための行為が却って不信を醸していること、彼らは気づいていないのかな。
なんて状況に戸惑ったのは1分未満。職業的トークに長けた係員が伝えたかったのは、件の工事に来たことと、作業はドアの前に脚立を立てて実施するので、およそ5分間はドアを開けないでほしいという、その二つでした。
以上の短いやり取りは、実はどうでもよいのです。メーター付け替え工事が終わる間、タバコをくわえながら沈思黙考したのは、熱中症アラートが連日発表されている中でも屋外作業が中止にならない事実についてでした。極めて異常な気候であっても、暑さくらい耐え忍べということなんでしょうね。でないと大きな経済的損失が生じる。しかし経済は誰のためにあるのかと言えば、この社会の一人ひとりが幸福になるためにあるはず。その幸福は、ともすれば死に至る肉体労働の苦痛と引き換えでないと手に入らないのか? それでいいのか真夏の太陽!
そんな考えに費やした時間は約10分。作業終了を告げる再ピンポ~ンを待っていたのですが、鳴らさずに撤収されたみたいです。それに対して不満はありません。1軒ずつ回る工事は、おそらく気温の上昇に関係なく、午後からもたくさん控えているだろうから。麦茶の1杯でも御馳走したかったな。まぁ、麦茶の用意はなかったんだけど。

ヤケになって真っ赤に咲いてなきゃいいけれど。
