お盆休みは過ぎていく

「そこは予定を入れませんので」とか、「ゆっくりお休みください」というような一文が、この10日間のお仕事メールで目立ちました。一般的にそのあたりが夏季休暇になるのは存じ上げておりますから、「むしろどんどん予定を入れてください」とか、「こちらも休む前提でお話されないで」というような、無粋な返信はしません。当然の話ですが。
そんなわけで、少なくともお盆前後は開店休業状態でした。例年のことなので、それならいっそ僕も夏休み宣言をすればいいのかもと思ったりします。とは言え、店を開けていればお客さんが来るかもしれないと焦れば、自らシャッターを閉める勇気は持てません。あるいはそれ以上に、計画的なバカンスを取ることが苦手。さらにそれ以前に、いわゆるプライベートで出かけたい場所も目的も特にないので、そのための休暇がそもそも不要なのです。
そんな感覚の根底には、わざわざ時間と費用をかけ、計画的にどこかへ向かうなら、仕事として何かを書きたい思いがじっとりと張り付いています。強欲でしょうか。ごく単純に、貧乏性と非難すべきなのかもしれません。
別の言い方をすれば出不精に違いないわけだけど、僕の仕事では取材の名目でいろんな場所で様々な人に会えるので、いつも同じところで働く方にくらべれば、「ここではないどこか」に向かいたい熱量も低いんじゃないかと思います。
そんなこんなで、具体的な時期が定まらない開店休業状態に慣れている身にすると、組織の規定で一定の休暇を迫られるのも大変じゃないかと勝手な心配が芽生えます。普段通りに働いているほうが楽に感じる人もいるだろうし、休まなきゃいけないと無理に予定を立てた挙句疲れてしまう場合もあるだろうし。それを考えると、休暇とは何かをちゃんと考えてから休まなければいけないのかもしれませんね。まぁ、シンプルに日常からの逃亡でいいんだろうけれど。
僕の信条は、逃亡ではなく戦え! しかし、敵がいなくなれば真夏の荒野に独りぼっち。それがさびしいと感じなくなったのは職業的に正しいのかどうか。その答えが出ないまま、今年も世間のお盆休みは過ぎていくようです。

きっと37度以上!

 

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