一旦は取り下げた件を、1日置いて改めて書くことにしました。その前に、事故に遭われた方のご冥福をお祈りします。
一昨日の集合場所は千葉県の木更津あたり。東京方面からクルマで向かうなら、路線延長15.1キロのうち、9.5キロのトンネルと4.4キロの橋梁で東京湾を横断するアクアラインを利用するのが便利です。距離的にも時間的にも圧倒的に。
ですが、ここ数年は生まれつきの高所恐怖症が激しさを増し、特に橋梁部分を走るのが果てしなく嫌になりました。その高ストレスは、「両側に海が見渡せる最高の道じゃん」とおっしゃる方には終生理解できないと思います。
そんなわけで4月に同じ場所で集合したときは、早起きしてアクアラインを避ける遠回りルートで向かいました。情けなかったけれど、あの緊張感に晒されるよりはいいと我が身をかばう気持ちを優先させて。
なのに一昨日は、あえてチャレンジしたくなったのです。ちょっとした勝算がありました。僕の背の高い我がオンボロはただいま修理中で、ごく一般的な乗用車を代車として使わせてもらっています。その視線の低いクルマら、今自分が走っている場所の高さを感知し難くなるのではないか? そうして僕は借り物の力を借りて、持てる勇気を振り絞ってみたのです。
川崎から木更津に向かう往路は何とか大丈夫でした。トンネルを抜けると、すぐに橋梁部分の頂点(海上から約40メートル!)に達し、後は下るだけという構造が気持ちを楽にしてくれたんだと思います。問題は、ひたすら空をめがけて上っていく復路。想定通り、本当の勇気が試されるのは帰り道でした。
仕事は昼前に終了。昼食をとり終えたところで、メンバーの一人がスマホで「アクアライン、事故で通行止め」の情報を入手しました。となれば距離も時間も倍以上の、東京湾を反時計回りにたどるルートで戻らなければなりません。スタッフはみな辟易した表情を浮かべました。僕の中では安堵が半分。そして勇気が試せない残念が半分。往復完走できたら、少しは恐怖症を克服できると思ったし。
そんな些末な話を書くつもりでした。けれど自宅に戻って事故を調べたら、トンネルでクルマ3台が絡み1台が炎上。一人が死亡と知って、心から気の毒と思うと同時に、僕の勇気に触れている場合じゃないと悟ったのです。
事故が起きたのは正午頃だったそうです。僕らの仕事がもう少し早く終わり、昼飯を食べずに撤収していたら、アクアラインで帰ると決めていた僕もあるいは、という可能性に怯えてしまいました。
いつどこで何か起きるかわからない中で、僕らはいつどこで勇気を奮ったらいいのだろうと考えたら、何だかとてもいたたまれなくなりました。大きな台風に迫られている最中だからなおさら。これが勇気に関してすぐに書けなかった理由です。

クルマ関連の仕事が続いております。
