YouTube、ご覧になります? 僕は音楽系をもっともチェックします。中でもギター演奏の教則系。これは本当に便利。いちばん知りたい指の動きを動画で見せてくれるから、今時ギターを始めたらすぐに上手になると思いますよ。それに引き換え自分がギターに興味を持った頃は、教則本の付録がデモ演奏を収めたソノシートだったんだから笑っちゃうしかないよな。ソノシート、知らないか。
そんなこんなで最近引っ掛かったのは、The Acrofamilyによる『Till There Was You』のカバー動画。『Till There Was You』は、50年代につくられたミュージカル用の楽曲。The Beatles がレコードデビュー前からライブでカバーし、彼らのセカンドアルバム『With the Beatles』にも収録されているので、お聴きになった方は多いかもしれません。ポールはこういうラブソングを歌うのが上手いのよ。
さて僕は、この曲を弾きたくて教則動画をYouTubeで漁り、そこそこ弾けるようになったところで他の人たちはどう演奏するのかと興味の枝先を伸ばしてみたら、件のThe Acrofamilyに出会ったのです。特に有名人ではないことは、アップされて4カ月余りで約1万4千の視聴回数が示していると思います。でも、なぜか観ちゃう。世界で延べ1万4千もの人が。
ファミリーと名乗っているものの、3人の演者の関係性が説明されません。ボーカルはハワイ感を漂わせる女性で、唯一の男性は上半身ハダカでボンゴを叩き、ローティーンと思しき女の子が難しいほうのギター伴奏を受け持つ、という構成。なおかつ撮影場所が岩の多い海岸で、地名の表記がないのはさておき、なぜそこなの? なぜ海水に足を浸して演奏するの? 楽器が潮でやられちゃうんじゃないの? 等々、その意味不明さは他の同曲カバー動画の中であまりに異質なんですよね。偉そうに言うつもりはありませんが、ここでわざわざ取り上げるくらい、それは訳がわからない吸引力を保持しているわけです。
こういうの、誰に感謝したらいいんだろう? The Beatles? ポール? そもそも『Till There Was You』の作者? あるいは僕にギターへの興味を覚えさせてくれた誰か? いやいやYouTubeをつくった人? The Acrofamilyが正解か?
2021年も最後の月を迎えるに当たり、世界はつながっているみたいという実感を伝えたかっただけです。あのファミリー、今日は何を演奏してるかな。

ここに来て工事が増えたのは気のせいかしら。
