プロの使命

少しためらい、こんなことを言えば誤解されるかもしれないという前置きをしてから話してくれました。
「どうせ他人なのだと思うようにしていました」
かつて消防署に勤めていた友人の言葉です。これに至る経緯を説明します。
その日の彼は、約束の時間に遅れてきました。理由をたずねたら、集合場所へ急ぐ途中で倒れている高齢者を見つけたんだそうです。救急車を呼ぶなど然るべき手配をしていたというので、前職に鑑みれば、それは放っておけるはずがないよねと。
なので、ここでも書きましたが、僕もつい最近似たような状況に遭遇した話をしました。幸い彼の件も僕のそれも大事にはならなかったのだけど、しかし消防車や救急車で現場に向かっていたとき、かなり深刻な局面に何度も出くわしたんじゃないかと思ったんです。そこで、そういうときにはどう対処するのかたずねてみました。その返答が冒頭の言葉です。
それを受けて僕は、プロフェッショナルだと応じました。どんな状況でも与えられた役目を的確に果たすのがプロの使命と思うからです。正しく断っておきたいのですが、「どうせ他人」というのは、深刻な局面を経験していない素人にもわかりやすく伝えるための言葉選びに違いありません。そのくらい割り切っていないと、特にリーダーだった彼には部下に対する冷静な対応ができなかったらしいんですね。また、プロフェッショナルにはそれぞれの心構えがあるので、ひとつの例として聞いてください。
彼を送ったあと、思いを巡らせました。つい最近自分が体験した件で、あの高齢者が僕の母親だったらあんなに冷静でいられただろうかと。翻って消防や救急のプロフェッショナルも、向かう先が肉親や身内のもとだったら、あるいは使命を果たすのに支障が出るかもしれないと。
そうであれば、自分の大事な人は自分で守れないかもしれないという、残念な事実と向き合うことになりそうです。それでもどんな場合でも、冷静さを必死で保てれば、その道のプロフェッショナルに頼る判断ができるかもしれません。彼との短い会話で、そんなことを考えました。
それと、前々から気になっていた心肺蘇生やAEDの使い方などを学ぶ救命講習を、一度ちゃんと受けてみなければと思いました。

首が痛くなる。

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