ベイおじさんのクライマックスシリーズ

興味のない人にはスルーされがちな野球ネタですが、野球好きの人に寄った話なので、よかったら読んでください。
8月の終わり、近所のバーで出会った横浜DeNAベイスターズファン、僕が心の中で「ベイおじさん」と呼んでいる方のエピソードを紹介しました。
本日の勝敗に一喜一憂するほど、熱狂的ではないのです。それは、現在の名称に変わるはるか昔から同チームのファンという、愛した日々の長さから来る余裕だけではなく、贔屓球団が圧倒的に強くなったことがない伝統によるところが大きいみたいです。なぜなら、快勝しても「たまたまですよ」と謙遜し、敗退すれば「こんなもんでしょ」とおっしゃる。そんな自己憐憫の振舞い方の巧みさに感銘を受けたのが、前回の記事の肝でした。
じゃ、ベイスターズは弱いままなのかというと、そんなことはありません。今年のペナントレースではリーグ3位になり、クライマックスシリーズに進出。リーグ2位の阪神タイガーズを下し、リーグ優勝した読売ジャイアンツとファイナルステージを戦うことに……。
「いやいや、ジャイアンツには勝てないでしょう」
これは月曜の晩に会ったベイおじさんのつぶやき。いつも通り、優しい苦笑いを浮かべておられました。とは言え、勝負は蓋を開けるまでわからないのではと問いかけても、こんな調子。
「ジャイアンツはピッチャーがいいから。戸郷を打つのは難しいでしょうねぇ」
そんな弱気でどうするんですか? と重ねて問うてみました。
「クライマックスシリーズに出られただけで十分」
それはもう、僕には完全に理解できないファン心理の深さなのでしょう。勝ち負けを超えて見守り続けられるのは、もはや愛という他にないんだろうな。そんな人々に応援されるベイスターズの選手は幸せですよね。あるいはそれ以上に、ベイおじさんの家族もベイおじさんの愛で幸福を感じているに違いない。バーにはいつも独りで来るけれど。
先に教えられたらよかったのだけど、2005年の今日は、どちらかと言えばずっと弱かった千葉ロッテマリーンズが福岡ソフトバンクホークスにプレーオフで勝利し、31年ぶりのリーグ優勝を果たした日なんだそうです。そんなこともあるんですよとベイおじさんに伝えたら、どんな表情を見せてくれたかな。

ススキに夕日は秋の風情@横浜赤レンガ倉庫の駐車場、の順番待ちの列にて。

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