書くべきネタを求めて日付をたどっていたら、ある出来事に意識が奪われてしまいました。
1991年の今日は、宮沢りえの『Santa Fe』が発売された日。当時18歳かつ人気絶頂の女の子の写真集は150万部のベストセラーになりました。この単語、自分で文字にするのは初めてかもしれないけれど、“ヘアヌード”ってやつだったんですよね。
そういう社会のタブーを破った試みも凄かったけれど、最初の衝撃に襲われたのは写真集発売の1カ月前でした。朝日新聞に全面広告! 朝一番で新聞を開いたら、りえちゃんの全裸が目に飛び込んできたんですよ。そんなことある? って心底驚きました。
言うまでもなく、この広告は大きな話題になりました。何よりも、ヌード写真集を制作していたことも、その宣伝に全国紙を使うことも、全面広告が掲載されるまで世間に一切漏れなかった。だから皆が呆気に取られたわけです。そんなことできる? って。
改めて調べてみたら、朝日新聞に全面広告が載ったのは1991年10月14日。実は読売新聞では、その前日に全面広告を掲載。さすがにヌードなので朝日は審査に手間取った、という話は、僕にすれば33年経って初めて知った事実でした。
さらに検索していったら、その新聞の全面広告がネットオークションに出た情報にもたどり着きました。これが2年くらい前の話。詳細は一切不明だけど、いくらで落札されたか大いに気になります。
いや、気になって仕方ないのは、『Santa Fe』のパンチをもろに喰らった世代だけでしょう。僕はKOされた感触をしっかり覚えています。29歳になったばかりなので、男子のピュアな興味がむくむく。その一方で、すでに編集業界にいたこともあり、限界を打ち壊していく表現の力に興奮したこともよく覚えているのです。何かを創っていく上で勇気をもらったというか。
そんなわけでこの件に意識が奪われたのだけど、どんなオチが適切なのか、今もってつかみ切れていません。無策のままなら、様々な法律が改正された現代では無理な、無茶苦茶な分だけワクワクできた良き時代の思い出話、または自慢話で終わってしまう。
となれば、現代の常識やタブーを越えていく新たな力に期待するしかなさそうです。それが何かはまるでわからないけれど、世間に一切漏れないところで密かに進行していたらいいなあと思います。もはや“ヘア”ではないのは間違いないところでしょうが。

ガラ空きの時間帯に一人こそこそ、いや、こつこつ練習。
