『働き方改革』なんてのがあって

「昔の職場って、おつぼね様みたいな女性の先輩社員がいたでしょ。そういう人って新人女子に妙に厳しくて、なおかつ目をつけられたら終わり。昭和の根性論で生きてきた私もさすがに耐えきれず、2年で他の会社に移りました」
これは、ある女性の社会人スタート時点の話。この方、今は事業部の部長さんです。ご本人の努力があってこその現在ではあるけれど、企業はそうした未来に花咲く人材の損失をどう考えるんでしょうね。まぁ、無自覚なおつぼね様の存在が最大の問題なのだろうけれど。
そう言えば『働き方改革』なんてのがあって、あれは労働の時間や環境を改善することを目的とした措置だと記憶しているのですが、僕が会社勤めの方から漏れ聞く大変さは、必ずしも時間や環境に起因していないように感じることが多いです。
やはり一番しんどいのは、人との関係性でしょうか。また別の女性は、上司の無茶振りに心身が傷んでいると嘆いていました。実情を聞くと、信頼されているがゆえと受け取れなくもないけれど、任される中身が重すぎるみたいです。そうして酒の席で、「愚痴っちゃってごめん」とこぼすのだけど、もはや愚痴を吐き出すだけで何かが晴れる感じでもないようで心配になりました。
そしてまたこの類の話題にフリーランサーの僕が加わると、次のような切ない言葉がカウンターの上に転がり出たりします。
「自分を売り物にできないから、会社員になるしかないのだけど」
どうなんだろう? というのは、僕がフリーランサーとして売り物になり得ているかではなく、働き方においてフリーと会社員の二者択一でいいのか? という疑念です。もちろん、言葉を発した本人にフリーランサーになる意志はないでしょう。ただ、それほどまでに組織内の対人関係によるストレスから逃げたいのだろうと、その切実さが伝わってくるわけです。
何というか、『働き方改革』がちらつかせる多様化が常識的な言葉になっても、それぞれが置かれる立場ないしは世界は、いまだ狭いままなのかもしれません。文字面は勇ましい改革を現実のものにする方法は、自分を売り物にすべく励んでいる僕にはまるでわからないけれど、愚痴ならいくらでも聞きます。たまにこっそりネタにするのを了解してもらえれば。

夏イメージのハイビスカスが11月の深夜に満開って、ホラーじゃない?

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA