首の短かったキリンたちと等しく

1859年の11月24日は、チャールズ・ダーウィンが『種の起源』を出版した日。当時は、画期的な進化論を著した本として大きな注目を集めました。しかし、新説には異論や反論が付き物。創造神を崇める宗教界からも反発があったらしいんですね。またその一方では、『種の起源』をきっかけにした検証や研究が盛んになった。おそらくそれが、ダーウィンが残したもっとも大きな功績かもしれません。
そんなわけで現在は、『種の起源』が提起した説の多くが改められているようですが、進化を説明する理論として今も伝わっているのは、自然選択説だそうです。これは、生物に生じた遺伝的変異のうち、生存競争で有利に働くものは保存され、そうでないものは除去される選択を指します。
いささか難解なこの説を解く好例になっているのが、キリンの首。元は首が短かったキリンの中で、少しだけ首が長いキリンが突然変異で誕生し、他のキリンより高いところに生えた葉を独り占めすることができた。そのおかげで多くの子孫を残せたので、やがてキリンの首は長くなった、というお伽噺のような話です。
ずいぶん前に僕が読んだ本で興味深かったのは、ガラパゴス諸島に生息するフィンチという鳥のくちばし。基本的には1種ながら、それぞれが食べるものに合わせてくちばしの形が変わるという説明でした。図や写真を見せられると、なるほどと納得するところがあって、進化って器用なんだと感銘した覚えがあります。
繰り返しになりますが、今から165年前の、なおかつDNAの二重らせん構造が発見される94年前の『種の起源』は、後々の科学によって更新されたり覆されてきました。それでもダーウィンが述べたとされる言葉は名言となって継承されています。
「生き残るのは、もっとも強いものではなく、もっとも変化に敏感なもの」
何か、ぐぐっと刺さります。変化を恐れる僕は、生き残れない種かもしれない。まぁ、子供もなく弟子もいないので、一代で終わったところで誰も困らないはず。たとえるなら、淘汰された首の短かったキリンたちと等しく。そう言ってしまうと、何だかとても切なくなるな。

たぶん氷点下の、白馬の午前7時半。霜に凍えた草たちが息を吹き返していくところ。

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