引き続き朝ドラを観ておりますが、『カムカムエヴリバディ』。正直なところ現時点では自分との距離が開きすぎの感があり、いささか遠巻きに眺めています。そうなってしまう理由が最近わかりました。この長いドラマの中で、僕の感情移入を促してくれる登場人物が少ないのが原因みたいです。
わかってますよ。朝ドラはおおむね女一代記的な構成ですから、男の僕に女性主人公の視点に立つのが難しいということは。だからこそなおさら、彼女たちの健気さや逞しさの近くに立ち、その人生を支えるような役回りを拠り所に物語世界に没入したいわけです。
変な見方かな。あるいは物語の外にいる傍観者として展開を楽しむ鑑賞法もあるでしょうが、少なくとも僕は今作について、そういう魅力的な強引さを感じてはいません。強引じゃないのが朝ドラだから、それは問題ではないけれど。
じゃ、どんな役なら感情移入しやすいか? ここしばらくの朝ドラを思い返してみると、達観した老人が多いんです。そうか老人か。主人公やその恋人や友人たちより年齢も考え方も近いから仕方ないですね。ふぅ。
さておき、現在の主人公の安子ちゃんには、ちょっと離れた場所から見守ってくれる達観した人物が不在のようです。これは彼女にとっても不幸だよなと思っていたら、現れました。カムカム英語の講師の平川唯一さん。実在の人物なんだってね。さだまさしさんが声だけの出演をしておりますが、その声が優しい。安子ちゃんはもちろん、僕もまた平川さんによって救われている。ただ、ラジオの音声なんですよね。その一方通行の形なきぬくもりがまた距離を生みそうで……。
あれこれ勝手に言っていますが、見始めた以上、発言権を得る意味でも最後まで見届けたい思いがあるわけです。朝ドラはこれまで何度か挫折した経験があるだけに、何とか僕にもその視点を分け与えてくれる人物が出てこないかと。おはぎは美味しそうなんだけどね。

池の公園の紅葉。まだグラデーションが残っていました。
