カメラを向けられる側からの景色

世間の注目を集めた記者会見が行われました。その内容はさておき、ああいう様子に触れたとき、カメラを向けられる登壇者側からの景色を想像しながら見る人もおられるようです。
ある社長は、緊急対応すべき事案が起きたときに備えて、記者会見のシミュレーションを行っていると教えてくれました。ちょっと驚いたのです。会見とは縁がない職種に思えたから。
けれど、「それでも」なんだそうな。確かに、情報漏洩や背任行為はどんな会社でもあり得るトラブルだろうし、あるいはハラスメントの類でも社会的な広がりを見せてしまえば、経営のトップには謝罪と説明の責任が求められるのが世の常。だからテレビなどで記者会見の中継を目にすると、自分が壇上で深々と頭を下げ、記者から追及される姿を思い描いてしまうらしい。
大変な立場ですねと慮ったように言えば、重要なのは業務の一環でシミュレーションすることではないとおっしゃられました。あらゆる準備は、発生の可能性を考えてのことだから必要だとして、最大の懸念は、正しく説明する際の情報不足が起きること。特にトラブルの渦中は混乱必至。だからこそ、日頃からあらゆる階層でスムーズな情報交換ができる、風通しのいい環境を整えておかなければならない。その構築が本当に難しいんだそうです。
大事には至らずとも、小さなトラブルは日常茶飯事なんですって。全社的なアナウンスやトレーニングの実施で件数が減っても、減れば減ったで社長は、報告されない件があるのではと考えてしまうみたいです。そうして最上級の責任者は、伝えられる事案の一つひとつに目を通した上で、経営全般を管理しなければならない。
「まったく、身が持ちませんよね」
そんな本音を漏らす社長の苦労は、社員の皆さんには完全に理解できないのかもしれません。いずれにしても、割れ窓理論が示す通り、濁りやすい場所には嘘が巣食うのでしょう。そうならないようにと注力されるその方も、件の記者会見をご覧になったでしょうが、あえて感想はたずねないでおこうと思います。

広範囲に及んでいる河川敷の復旧工事。テニスコートはこれからみたい。

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