昨日の話に関連し、なおかつ職業的な件なので、さらに話は狭くなります。音声のテキスト化問題って言われても、なんのことやらさっぱりですよね。
さておき、インタビューで聞いた声をもとに原稿を書くのが僕の主な仕事です。この類の取材では、僕は基本的に録音機器を持ち込まず、相手の言葉をひたすらメモし続けます。時に「そんな人、他にいませんよ」と驚かれるけれど、ただのスタイルに過ぎません。
しかし、自分の得意を貫けない場合があるのも世の常。専門的な講演会などの内容を記事にまとめる場合は、止む無く録音します。耳慣れない用語が飛び出してもその場でたずねられず、なおかつ先方の段取りのまま一方的に話されるから。
それでもメモを取りますが、専門性を求めるクライアントに応えるため、録音で事実的発言を確認します。その、かつてはテープ起こしと呼んだ作業は、慣れた人で録音時間の3杯から4倍の時間がかかると言われています。だから不慣れな僕にしたら、めちゃくちゃ憂鬱なんですよね。
けれどこの時代には、音声データを文字データに変換するアプリがある。ただ、滅多に利用しないから、できれば無料で使えるものを探しているのだけど、今のところ満足できるアプリに出会えていません。
なので今回も、ウツウツしながらスマホのボイスレコーダーを聞き返そうとしたら、「音声をテキストに変換」という機能がついているじゃありませんか。これが優秀! まさに灯台下暗し! 長時間には対応できないようですが、10分程度ならイケるので、かつてないほど正確な、約1時間を分割した音声テキスト化に成功しました。
そうして拾い上げた総文字数は約2万字。指定された原稿の文字数は3千字以下。数字的には1万7千字を切り捨てるように見えますが、感覚的には2万字を3千字に圧縮するわけです。方々に散らばった、原稿に記すべきエッセンスを生かしながら。
そこでまた憂鬱になるんですね。生かすべきエッセンスはいつも通りメモしているから、音声のテキスト化にかけた労力は何だったんだと……。
いやまぁ、様々な齟齬を調整するのが仕事なので、愚痴ったところで仕方ありません。それにしても同業の方々は、どう対処されているのでしょう。もはや生身のライターなんていないのか?

「25度になります」と言われてベランダに出たら、空が黄色っぽかった。
