お世話になっている制作会社の年若たちとの晩飯後、店を出たところで29歳になったばかりという女子に言われました。
「トナオさんが若々しいのはぁ、私たちみたいな若者と喋るからなんですよぉ」
発言の根拠は不明。若々しいってのもどうなんだろうと首を傾げたくなりました。けれど笑いながら聞いたのは、確かにその通りかもしれないと思ったからです。いやいや、若々しいと言われたくて彼らと飯を食ったわけではないのだけど。
音楽番組やライブなどで、キャリアを積んだ歌い手が、自分と同年代のミュージシャンをバックバンドに据えるパターンをよく目にします。音楽の知識と経験が豊富で、聴いてきたものが同じという安心感があるのでしょう。気心知れた仲間なのかもしれません。
しかし、これは紛れもなく自分が歳を重ねたせいですが、演奏が悪いわけでもないのに、それでいいのかなあと思ってしまうんですね。もし相手を選べるなら、または選んでもらえるなら、年代・世代入り混じりのほうがおもしろくなりそうと期待するから。
とは言え、我が身を振り返れば怖さもあります。異なる年代、というのは確実に下の世代になるわけですが、彼らに対してキャリアに適した技術を提供できるだろうか。あるいは若者たちに迎合したり媚びたりせず、年齢にふさわしい態度を通せるだろうか。
それらが本当に心配であれば、同年代とだけ通じ合えばいいのもしれません。「まぁ、そうなるよね」という暗黙の了解は、緊張を解くにはいい温度を保っていそうだし。けれど、いつも同じ場所に留まる安堵に身をゆだねるのは、何かつまらないと感じてしまうのです。挑戦から逃げるような気もするし。
若いままでいるのが困難なことは、すでに承知しています。見た目に関しても、相手を不愉快にさせない限りはどうでもいいというか、仕方ないというか。ただ、年代・世代入り混じりで、それぞれのセンスや気分を知っておくほうが得というか楽しいというか。そのあたり、わりと自然に吸収しようとするのは、もしかしたら僕の長所になるのでしょうか。
そんなこんなで、「私たちと喋るからですよぉ」と無遠慮に来られるのは、なかなかに爽快です。若々しさの源だったとはね。お礼を言いそびれました。

久々の中野。サンプラザはまだ原型を留めていた。
