一方的に見守ってきたベランダ眼下の工事現場について最後に触れたのは、たぶん今年の1月末です。その時点では、ビル自体がほぼ完成しているのに、まだテナント募集の張り紙が出ていて、何かちょっと不穏という感想を伝えたんだっけ。
それから3カ月。この新しいビルで何が始まるのか、いよいよ明らかになりました。ざっくり言えば、小さなクリニックの集合体。ベランダから見る限り、調剤薬局、婦人科、小児科、内科の看板が確認できます。ベランダからは陰になる、テナント募集の張り紙があった場所には、遅れて歯医者が開業する旨が報じられていました。ってことは、向かいのコンビニのご主人が言っていた通りになったわけだ。
「病院じゃないかねぇ」
これは、建築中にご主人から漏れ聞いた予想でした。何しろ真向かいで営業されているので情報の精度は高いはず。なので僕はこの言葉を鵜呑みにしたのです。しかし外装が整っていくうち、1棟丸ごと病院になる気配は薄らいでいきました。
ところがフタを開けてみたら、1棟全体が医療機関だった。となれば、こんな推測が可能になります。クリニックが入ると聞かされたご主人は、外来診療を主体とする小規模な診療所を指すクリニックをよく知らなかったので、病院と意訳した。仮にその間違いを言及されても、「これって病院じゃないの?」とお答えになるはず。まぁ、誰も言及しないと思いますが。
何が言いたいかというと、町の噂に一喜一憂するのっていいなあと。病院予想が外れてがっかりしたわけではなく、結局のところどんなテナントが入ってもかまわない。ただ、近所の人々が好き勝手を口にするのが楽しいのです。接客が悪かったコンビニが閉店するとか、居抜きで入った居酒屋が流行るかとか、そういう情報がネットではなく耳で伝わってくると、僕もこの界隈の住人になれた気がするんですよね。こういうの、別の町で暮らしたときはなかったな。
おそらく次の噂は、徒歩数十秒の場所で先に開業している、よく似たクリニックの集合体ビルとの比較になるでしょう。その情報にも聞き耳を立てていきたいと思います。

新緑の桜も素敵。
