五月病と小満

五月病とは一般的に、ゴールデンウィークが過ぎた頃、新入学生や新入社員が感じる体調の変化を指します。主な原因とされるのは、新しい環境に適応しきれないことで生じるストレスだそうです。
その新しい環境とは、学校や職場などの箱物類に限らず、そこに詰め込まれる人間同士の関係性も含まれます。さらにその中でも否応なく気になってしまうのは、同期との差ではないしょうか。同じタイミングで同じ場所に来た、およそ同年代なのに、自分より優れているように見えることでコンプレックスを抱え込んでしまう。それもまた、入学・入社から約1カ月を経て環境に慣れ、周囲を見渡せるようになった末のことでしょう。
閑話休題(便利な四字熟語)
わりとしつこく持ち出す二十四節気では、今日から小満(しょうまん)に入ります。小満とは、ここから万物が成長し始める時期。つまり現時点では未完を意味するので、二十四節気の中でも有名な立春・立秋・夏至・冬至などにくらべると、かなりマイナーな存在です。それでも昔の人が1年の巡りを思案したときには、有名無名または人気不人気に至る結果に関わらず、24種それぞれの節目が必要と考えたのでしょう。
などともっともらしく諭されようと、横一線のスタートで左右を気にしないわけにはいきませんよね。僕がこの業界に入った最初の制作会社でもそうでした。編集の専門学校の同期3人がそこに入社したので、敵視はしなかったけれど意識せずにはいられなかったから。けれど僕以外の二人は1年未満で退社。それぞれ理由があったようだけど、拍子抜けしたのは事実。そしてしばらく経ってから、僕が補欠ギリギリ入社だったことを知り、さらには10年後くらいに「今もこの業界にいるのはお前くらい」と専門学校の同窓会で言われて、歓喜も無念もなく、ある意味ではドライに、そんなもんなんだと感じ入りました。
断言などできませんが、人生がどう転ぶかなんて、たぶん誰にもわかりません。それゆえスタートの切り方ですべてが決まるものでもないはず。社会人40年超の僕でさえ、まだ小満の時期にいるんじゃないかと情けなくなるときがあるから、特に若い方は、じっくり未完の時期を楽しんで、ゆっくり育ってくれたらいいなと思います。社会人って、びっくりするほど長いし。

都心で今年初の真夏日。そして夏至まで約1カ月。さらに影が短く濃くなった気がする。

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