草木の名前を

そんな予定もないけれど、「どんな人になりたい?」と聞かれたら、「草木の名前をすっと言える人に」と答えます。幼い頃に仲間と競い合うように言い合ったのは、昆虫やクルマの名前でした。20代になっても植物への関心は薄く、40代になってようやく草木に関心が及ぶようになり、60代の今は知らなければ恥ずかしいとさえ思うようになりました。
となると、動物よりは生育が穏やかな植物に興味が向くのは、加齢が原因という仮説が容易に立ちます。それは一旦横に置いて、僕が草木というより身近な風景に目を向けるようになったのは、2006年にこのTONAO TIMESを立ち上げたのが大きかったんですね。
当時は、とにかくコンテンツを増やそうと必死になっていました。そこで、自分で毎日何かを書くことに加え、『TODAYS SNAP』と題し、1日1枚の写真をアップするようにしたのです。
サイト自体は紆余曲折あって、現在はかなり地味な形になっていますが、『SNAP』だけは健在。とは言え、結局はどうでもいい写真を上げているだけですけれど、できればおもしろくしたいじゃないですか。しかし、僕が好きな人物スナップは許諾の問題があって自由に扱えない。であれば、肖像権を訴えてきそうにない風景、中でも植物のクローズアップが増えていくのは自明となりました。
でも、ここを始めたのが40代の半ばだから、加齢によって穏やかなものに目が向くという仮説に対しては、やはり抗い切れないかもしれません。
何でだろう。四季の巡りを教えてくれる存在が、若いとき以上に愛しくなるのかな。あるいは、自分で蓄えた力や知恵などではねじ伏せられない自然の摂理に敬意を抱くようになるんだろうか。いやまったく、酒の席を盛り上げるためのウンチクを仕入れるより、街中で見かける花の名前を覚えたいと思うんですよね。それで人の品や質が高まるような気がするから。
幸いなことに僕のランニングコースは、園芸がお好きな方のお宅が多く、見学料も肖像権も求めないまま季節ごとの草木を鑑賞させてくれます。おかげで花のスナップは多くなり、僕は走るたび植物への興味が深まっていく。それで加齢が加速しても、まぁいいかなあと思ったりします。

ぽわぽわ咲くのはネムノキ。名前だけは聞いていたけれど。

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