好きの理由がよくわからないことってあるでしょ。たとえば、フィンセント・ファン・ゴッホ。あえて今日この画家の話題を持ち出したのは、1890年7月27日に拳銃自殺を図ったという日付に引っ張られたから。この件は過去にもここで触れているにもかかわらず。
そしてまた今月の初めにNHKが放送した、ゴッホ作品の真贋鑑定ドキュメントを見てしまえば、その舞台となったアムステルダムのファン・ゴッホ美術館にはいつか必ず行かなければと、妙な義務感が湧いてくる始末。
日本人が好きな画家ベスト10を集計したら、ゴッホはかなり上位に食い込むんじゃないでしょうか。もちろん僕も好き。画集や人物評などの書籍を持っているくらいに。
風呂敷を広げる形になりますが、日本人はゴッホのどこがいいんだろうと思うんですね。彼にしか持ち得なかった画風に魅了されているのは間違いないでしょう。でも、個性的かつ天才的な絵を描く人は、他にもたくさんいます。
ある人は、こんなことを言いました。貧しさから抜け出せなかった生涯を送った末に精神まで病んで、挙句の果てに拳銃で自分を撃ち抜いた。なおかつ生きている間に売れた絵はたったの1枚。その絵も、兄の面倒を見ていた実弟が買ったという説もあるらしい。というような不器用にも程がある悲しい人生は、日本人の感性をめちゃくちゃ刺激するのだと。
こういう説もあります。日本人は日本を好きな外国人が大好き。そう言えばゴッホは、浮世絵から強力なインスパイアを受けた作家でした。自身の作品内で模写しながら、東洋の外れの国を理想郷と夢見るようになったという話を聞いたことがあります。なるほど。トム・クルーズに「日本大好き」と言われたら、悪い気がしないのと同じってことだな。
いやいや、好きに国民性があったって別に問題ないし、そんなものに関係なく一個人として好きなら、それでいいわけです。そもそも、嫌いには理由があっても、好きのそれは直感や肌感によるところが大きいし。
どういうわけか、国内では今年から来年にかけていくつかのゴッホ展が開催されます。日本人は大好きだから? たぶんそうでしょう。

アヒルちゃんが日本中を駆け回るらしい。
