ベテルギウスはもう

「ベテルギウスはもう消滅してる?」という見出しの記事を見つけました。ベテルギウスは、太陽の10倍弱から20倍強の質量を持つとされる、オリオン座の赤色超巨星。冬の大三角形を形成する星として有名なのは、その赤い輝きが僕らの肉眼でとらえられるからです。
それがもう消滅しているなんて、「お前はもう死んでいる」と言い渡されたようで少しショックです。けれど宇宙では、こうことが珍しくないのでしょう。
ベテルギウスは、地球から約642光年離れた場所にある恒星。この説明でわかるのは、今日の時点で僕らがベテルギウスと判別する光は、約642年前に放たれたものということです。
古代ローマ時代から注目されてきたベテルギウスは、人間が興味を持った段階ですでに、星の寿命である超新星爆発を起こす可能性があったらしい。ゆえにもし、この約642年の間、満月の100倍の明るさに達するという大爆発を起こしていても、僕らはまだそれを目視できてないことになる。だから記事は、『北斗の拳』風な見出しを立てられた。
けれどやっぱり宇宙に関しては、「へぇ」とか「ほお」と感心するだけなんですよね。もちろん信念と努力を貫く科学者たちによって、高確率の推論が導き出されている事実に疑いは持ちません。ただ、ごく普通に生きている僕は、たとえば記事を書くにしても、目で見えたもの、あるいは耳で聞こえたものを信じる他にないのです。
しかしその一方で、目に見えないものや聞こえないものにも興味が及んでしまう自分がいます。そうして噂やデマに意識が向くのは、知らないことへの不安が原因なのでしょう。それが簡単に断ち切れない類だと、大きく目を見開き、微かな音にも敏感になる日々を過ごさなければならなくなる。これはなかなかに疲れます。それでも、目と耳で事実が確認できるまでは、ひたすら待つべきと思うのですが。ベテルギウスの最期も地上で目視できるらしいし。
さておき、本日の僕には反省すべき点があります。これまでずっと、ベテルギウスをぺデルギウスと呼んできました。たぶん、ベよりペのほうが言いやすかったのでしょう。思い込みは怖いですね。衆人環視で指摘される前に気づけてよかったです。

季節の移り変わりを感じるような、けれどまだ十分に蒸し暑いような、夕暮れ。

 

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