恥ずかしいくらいニワカですが、世界陸上に心が奪われ続けております。まずは、東京というか日本開催の磁力が強いと思うんですね。第1回は1983年のヘルシンキ。1991年の第3回は今年と同じく東京で開かれ、1993年のシュトゥットガルト以降は奇数年の隔年開催。そうして2度目の東京で20回目なので、これまでも粛々と行われてきた大会です。
なのに、普段は陸上競技の動向に見向きもしない僕が熱狂しているのは、あらゆる結果が時差なしで生活に食い込んでくるからではないでしょうか。つまり、早起きするとか、寝ないままといった苦労がない点は、観る側にとってもアドバンテージになるんだなあと。
言うまでもなく、かつてより増えた日本人選手の活躍もあるでしょう。でも、これを口にすると詮無いだけだけど、たとえばハードルの間隔とかは、たぶん欧米人の体格を基準にしたはずなんですよね。ほぼ肉体だけで勝負する陸上競技では、そこが日本人には苦しい。もちろん、マラソンなど僕らに適した種目はあるにせよ、特にフィールド内ではハンデが浮き彫りになります。
それでも、というところが関心の的ですね。先日の男子110mハードルで決勝に勝ち進んだ村竹ラシッド選手。身長は179㎝もあるのに、海外選手の中では小柄に見えてしまうのだけど、それでも5位入賞。なのにレース後のインタビューでは、メダル獲得を逃して大粒の涙をこぼしていました。
僕も号泣でした。彼につられたところもあるのですが、同情や共感で泣いたのではありません。むしろ、何もわからなかった。なぜなら、抑えきれないほどの感情の昂りで涙腺が制御不能になる心境を僕は知らないから。ゆえにあの涙を悔し涙と断定することもできなかった。
それでも訳が分からないまま僕の涙腺まで壊れたのは、止めどなくあふれ続けた彼の気持ちに、リアルタイムで揺さぶられたからだと思います。この衝撃は、なかなか消えそうにありません。次の大会ではニワカに戻るだろうけど、今回の東京だけは最後までぐわんぐわんに揺さぶられたいです。

件のクレーン、やっぱりこの町中では数キロ離れても見えるんだ。
