ただボタンを押すだけなのに

最近になり、エレベーターの乗り方がわからなくなりました。一人で利用する場合は何も問題ありません。勝手に乗り降りすればいいだけ。気になってしまったのは、どなたかと相乗りするとき。
きっかけは、この夏の酷暑。近所のスーパーマーケットでさえ、徒歩で行けば汗まみれ。それが嫌で、自転車を使うようにしました。その建物の地下には駐輪場が備わっていて、なおかつ地下駐輪場までは2基のエレベーターで行ける。便利な話です。
でもって初利用の日から、エレベーター内のどこに操作ボタンパネルがあるか確認し、左右どちらのエレベーターが来てもスムーズに乗り降りできるようにしました。こういうのは僕にとって自然な行為です。自分のためだけでなく、どなたかと相乗りする場合でも、常にスマートな大人として振舞いたいから。
なのに、ですよ。僕が先に乗ると、別の1基が来るのを待とうとする人がいる。声をかけても、目を合わさず「いや別に」という表情を浮かべる。エレベーター自体はけっこう広いんです。無理すれば、幅のあるママチャリでも4台は詰めるはず。それでも、ちっちゃめの自転車の僕ひとりなのに乗車拒否って、非合理この上ないと思うのだけど、何が理由なんでしょうか。
確かに後から乗れば、見知らぬ人間に行き先階を告げなきゃいけないとか、どちらが先に降りるか迷うというような気遣いが増すかもしれない。けれど、たかが十数秒の移動じゃないですか。しかもその程度のコミュニケーションなんて、ついこの間までそこら中であったじゃないですか?
もしかすると、僕の「ついこの間」は遥か昔のお伽噺になってしまったんだろうか。あるいは、僕の見た目が密室の恐怖を醸すのだろうか。ふむ、よくわからない。
昨日は小雨まじりだったので徒歩でスーパーへ。エレベーターを使わなかったことに安堵した自分を見つけて、微かながらコミュニケーションへの敗北感を味わいました。ただボタンを押すだけなのに、何か切ない。

戸惑いを拡散したいわけではありませんが、こちらが件のボタンです。

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