寝ている間に見る夢をよく覚えている、という話をしたことがあります。調べたところによると、浅い眠りのレム睡眠中の夢は、目覚める直前に見ていることが多いので、比較的記憶に残りやすいそうです。ふむふむ。これから話す夢も、確かに目覚めが印象的でした。
妙にわさわさして落ち着かない気配。どうやら自分の眼下に広がるのは、何かの学校の中庭風の場所で、続々と若者が集まってくる最中みたいでした。
夢が始まった直後は、なぜここにいるのか、なぜ人が増えていくのか知りませんでした。しかし、「何が始まるんだろう」と思った次の瞬間には、そこで音楽ライブが催される事実を受け入れます。
「PAが決まっていない」
これは、となりにいたと思しき人物の言葉。PAはPublic Addressの略。本来の意味合いは音響機器全般ですが、機器を操作するエンジニアを指す場合もあります。いずれにせよ影のような人物は、これからライブが開催されるのに、機器もエンジニアもそろっていない深刻な事態を明らかにしたかったようです。
それが伝えたられた時点で、自分がそのライブの主催者であることを自覚させられました。かなり強引な展開だけど、夢の勢いとはそういうもの。
僕の横を通り過ぎていくのは、ギターケースを背負った若者。たぶん出演者なのでしょう。そうして僕は追い込まれていきます。ライブをやるのにPAは不可欠。かつて自分が開いた会では最初にPAを決めたのに、今回は何をやっているのかと。
そこで、ひとまず前にお世話になったPAさんに連絡。今日の今日でも会場に来られる人を紹介してもらおうとスマホを取り出すも、僕の焦りと同調したのか、見たことのない画面が次々に現れる始末。ようやく電話がつながったPAさんは、僕の困惑と懇願を承知した上で、こう切り出しました。
「逃げちゃえば?」
それだ! この混沌と抑圧の世界から救われる手立てが他にないと知った僕は、自らに念じました。よし、目覚めよう!
脱出が容易だったのは、起床直前の浅い眠りだったおかげでしょう。ただし、窮地に立たされた重苦しい気分は残っていました。それでもと、こんなことを思ったのです。
夢であれば覚醒へと逃げ込める。その逆は叶わない。
だからどうなんだ? という話です。なおかつ夢について触れるときは、自分の精神状態を追求しないのも大事だと思います。

練習終わり午後4時過ぎの影。足長にも程があるな。
