光日という単位を知りました。光年は聞き覚えがあります。光が1年間に進む距離ですよね。これはちなみに約9兆4600億km。まるで実感が湧かない数字ですが、光の速さを年に当てはめるなら、日や時や分や秒で計算することもできるので、「光日って?」と驚くのは僕の無知を証明するだけの話でした。
とは言え、光日が一般にも伝わったのは、深宇宙探査機の活動が節目に近づいたからだそうな。NASAが1977年に打ち上げたボイジャー1号。現時点で地球から約254億㎞離れた場所にいるその無人機が、2026年11月には1光日の約260億㎞に到達。人工物としては、今も地球からもっとも遠くの星間を運行しているけれど、やはり1光日は歴史的ということみたいです。
僕がこのニュースに引っ掛かったのは、ボイジャーに搭載されたレコード盤の記憶でした1977年当時15歳だった僕は、雑誌か何かで見たのです。ボイジャーには、いつの日か宇宙人が発見してくれるであろう、地球や人類の情報を刻み込んだ金色のレコード盤が搭載されていると。知的生命体ではなく宇宙人と覚えているあたりが幼稚ですが、すごく夢のある話に思えたんですよね。あるいは、大人でもそういう夢を見るのがおもしろかったというか。
ボイジャー1号の目的は、木星と土星の探査。それを果たすための設計寿命は5年だったらしい。しかし徹底的な節電を実行したら、当初の計画より長い活動が可能になり、現在は太陽系外縁部の調査ができるほどの長寿になった。その報告伝達にかかる時間が、間もなく1光日。ニュース記事によると、月曜日の午前8時に送ったメッセージの返事が水曜日の午前8時に戻ってくるのが、1光日通信のイメージなんですって。
JAXAのはやぶさもそうだったけれど、無機質な機械なのに無事に動いてくれと、生き物に向けるような思いを抱くのって、なんだか不思議ですよね。人間にはそうした感傷がある実態は、金色のレコード盤に収録されているのかな。
いずれにせよ、1年後には約260億㎞に達するボイジャー1号は、何かの法則に従って、ただひたすら宇宙を漂っているだけなのかもしれません。あるいは、何万年かかっても知的生命体に発見されないかもしれない。それでも通信が可能な限り、少なくとも人の感覚的には「生きている」と言えるのでしょう。そう思い込みたいのが夢の正体だったとしても。

近所でいちばん明るい星。
