判断~決断

今月8日の午後11時過ぎ、緩やかながらも奇妙な揺れを自宅で感じました。あるいは地震じゃないかもと思いつつ情報を探ると、青森県東方沖を震源とする最大震度6強の地震が発生したことがわかりました。いろんな仕組が発達したおかげで、起きたことなら比較的早く詳細な情報が伝わるし、遠い場所の地震なら波紋の一番外側みたいに揺れたのも納得できるわけです。
寝て起きたら、震源に近かった場所の被害状況とともに、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されていたことを知りました。その情報は、地震発生から3時間後の午前2時に気象庁が出していたそうです。
それにしても、「後発地震注意情報」という文言は不吉な気配です。あれこれ調べてみたら、この名称の本格運用を最終検討している段階で、今回初めて使用されたらしいんですね。なるほど。耳馴染みがなかったから不穏に感じたのかもしれない。
それまでは、前震・本震・余震という表現が用いられていた記憶があります。ただ、前・本・余で区分けすると、地震の大きさが異なる印象を与えかねない危惧があったそうな。
たとえば2011年3月11日の東日本大震災。この日には、本震とされるマグニチュード9.0の驚異的な地震が起きたもの、その2日前の3月9日に三陸沖でマグニチュード7.3。翌10日にも同じく三陸沖でマグニチュード6.8の地震が発生したそうです。それら2回は、おそらく後に3月11日の地震を本震としたため、相応の威力を有しながらも前震として扱われることになったんじゃないでしょうか。
そこで考えてしまうのです。完全な地震予知はできずとも、前震だけでは終わらない危険性を示せる表現があったら、東日本大震災の被害規模は変わっていたかもしれないと悔やんでいる人がいるのではないかと。
人の思いはあくまで推測ですが、いずれにしても災害情報を発表する人々は、高を括ったり、または怯え切らないような言葉選びに尽力されているのは間違いないと思います。そうして今回の地震は先発と判断された。その上で、後発地震という初の文言を使う決断をされたのではないでしょうか。しかも最初の地震が起きてから3時間という速さで。
かなりの端くれながら言葉を使う仕事をしている者ゆえ、判断を決断に変えるには強い勇気が必要だったはずと勝手に想像して、深く静かな感銘を受けた次第です。

見える限りは真っ白になった富士山。

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