予想通り、何かにつけ冬季オリンピックを観ております。言うまでもなくジャパンが軸ですけれど、早くもメダルを獲った日本人選手がいて、インタビューでは周囲への感謝を口にされておりました。
それを、日本人らしい謙虚さの表れと見るか、あるいは大人たちからの指導の賜物と取るかはご想像にお任せします。けれど僕には、自分を応援してくれた人々に対する、純粋かつ真摯な思いを抱くアスリートの言葉を聞いた記憶があります。
プロゴルファーの宮里優作さん。ゴルフ専門誌で彼の活躍を追いかける連載企画が始まったのが2010年でした。僕らが記事でもっとも伝えたかったのは、優作さんの初優勝。学生時代に数々の大会で勝ち、いわば鳴り物入りで2003年にプロデビュー。新たなステージでも大活躍すると思いきや、それから7シーズンを経ても未勝利のままだった。
そうして連載が始まり、様々な場所で開催された試合を見に行くことができました。中でもいちばん慌てたのが、2011年に高知で行われた大会。土曜日の終了時点で2位となり、いよいよ来るかと日曜朝一の高知行き航空券を手配したのです。残念ながら来なかったんですけれど、そうこうしているうちに連載も3年を迎え、ここで一旦という区切りを迎えることになりました。
そうしたら、翌2013年の最終戦ですよ。僕の母親もテレビ中継を観たくらい劇的な結末で、ようやく初勝利を手にした。なのにその日の僕は、別の仕事で海外にいたという、今でも優作さんからツッコまれる取材者人生最大の汚点を残したのです。
さておき、未勝利記録を消したことによって翌年から連載が再開。現在に至っているのですが、リスタートの最初は、当然のことながら初優勝について聞かねばなりません。その答えの中で深く刻まれたのが、こんな言葉でした。
「自分がどうこうより、身近な人たちがこんなによろこんでくれるなんて……」
実感だったようです。何より自分を誇っていいはずなのに、彼の口から出たのは周囲への思いでした。勝負の世界に生きていない僕には、優作さんが体感した歓喜や感謝の真実を共感できなかったけれど、勝者が抱く感情とはそういうものかと思わされました。
オリンピックの話題に戻りますが、あれほどの大舞台でメダルを獲り、インタビューを受けられる選手は、その機会にこそ周囲への感謝を述べたいんだろうなと、そんな想像をしながら観ています。一人でも多くの選手が、語りたい言葉を大勢に伝えられたらいいですよね。

撮りたくなりますわね。起きてべランダに出て、ここまで降ると思わなければ。
