不安遺伝子の作用なのかな

WBCが始まったので、僕も世の中全般もそっちに興味が移っていくでしょうけれど、先週の民間小型ロケットの打ち上げ失敗について、あれこれ考えております。
宇宙事業会社のスペースワンが主導するカイロス3号機。その打ち上げの模様が、4日と5日の2日連続で生中継されました。TBSの『ひるおび』でしたね。ヘリコプターからの映像をたまたま両日とも観て、4日はエンジンが点火しないまま。5日はドンと打ち上がったと思ったら、間もなく空中で爆発してしまいました。
番組としては、「1日待ったけれど、見事に飛んでよかったですね」と締めたかったに違いないでしょう。2日とも立ち会った僕にしても、そうであってほしかった。しかし映像は、どうあって成功に見えないロケットの最期をとらえきっていました。
そういう現実を目の当たりにしたとき、僕らはどう思うのでしょう。記者会見に臨んだスペースワンの社長は、「今回も確実にノウハウや経験を蓄積しているので、それを基に前に進んでいきます。失敗とは考えていません」と話しました。「今回も」というのは、打ち上げられなかった初号機と2号機を受けてのことですが、しかしその言葉を額面通りに受け止めて、「そんなに難しいものなら、何度もチャレンジしたらいい」と応援する人がどれくらいいるのでしょう。
それよりも、「気の毒だけれど、難しいならもう」とか、「何度もチャレンジする金はどこから出てくるんだ」とか、非難する声のほうが大きいように思います。日本人であれば……。
自分の行動原理を考えるとき常に頭に浮かぶのが、前にも話した種々の不安遺伝子です。日本人はそれらを持つ確率が8割近く。他国の人とくらべて、突出して多いそうな。日常的に自然災害と向き合ってきた結果、不安に敏感となり、個人の判断ではなく集団合意で安心する社会を築いてきた歴史が遺伝子に刻み込まれているらしいです。それが新しいこと、今回の例で言えば宇宙開発事業といった、失敗の先に成功が見えてくる事柄に対する疑念につながるのかもしれません。
スペースワンの社長は件の会見で、ベンチャー企業への投資が少ない日本の実情を訴えていたように記憶しています。それも不安遺伝子の作用なのかなと思いました。
遺伝子レベルなら仕方ないじゃんって諦めたくなります。でも、それで肩寄せ合って「大丈夫だよね」とつぶやいていても、何も変わらないですよね。ならば、あれこれ不安に感じる自分を受け入れて、そうではない自分を奮い立たせるしかない。野球でも、この場面で打てなかったらどうしようと怯えて打席に入ると、まず打てないものです。大谷翔平選手ならそれでもホームランを打てるのかな。そんなことはないだろうな。

試合に出ていない子たちも楽しそうにしてたな。

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