音楽はタチが悪い

さあ、いよいよ今週末は音楽の祭典! って突然言われても「何の話?」ですよね。祭典というのも誇大表示でした。すみません。
半年以上前から押さえた会場で、仲間内の音楽発表会的なイベントがあります。僕も参加します。いや、違うな。自ら企てたので、仲間に参加してもらう側でした。その上で、久しぶりに人前でギターを弾くことになります。ふむ……。
先述の通り間もなく開催なので、もはや逃げも隠れもできません。それは百も承知。むしろ積極的かつ懸命に練習を続けてもいます。しかし、心の中のわりと浅いところで「オレはなぜこんなことを始めちまったんだろうなあ」という呆れに似た思いがグズグズしています。
長く弾いているわりに上達しない。それもあって、少なくとも音楽に関しては人前で何かやりたいとは思わない。ゆえに部屋でこそこそギターを弾くのが好き。そういう自覚があるのに、ある時ふと「誰かに聞いてもらうのも悪くないかも?」という思い上がった自分が表に出てきたりします。あれは自己顕示欲の暴走なのだろうか。
そんな調子こいたオレに引きずられ、これまでに何度かギターを携えて人前に立ったことがあるのだけど、その緊張感たるや半端じゃなかった。指の震えが止まらないから、部屋でできたことの半分しか再現できない。それってどういう仕打ちなのだろうと、本番のステージ上で天を仰ぎたくなるのです。実際に仰げないから余計にしんどい……。
だからしみじみ感じ入るのです。本物の音楽家のモチベーションの強さに。自己顕示欲もあるのかもしれない。けれどたぶん、何かを人に伝えたい思いの熱量があらゆる支障を溶かしていくのでしょう。そこは、自分なりに理解できる部分があります。人に読まれない原稿は書きたくないというモチベーションが僕にもあるから。
ただ、音楽はねぇ。生まれつき素養が貧相なくせに、うっかり憧れさせるから質が悪いんだよなあ。
今回は、過去の演奏披露で一度もできなかったことに挑もうと思っています。とにかく楽しもうと。「楽しむってどういうことだっけ?」とか考えずに。できるかなあ。遠くで小さく応援してくれたらうれしいです。

原型を教えてもらいました@ 広島平和記念資料館。

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