首都圏の子

答えが定まらないまま書き散らかすのは毎度のことですが、今日のテーマもそうです。ひとまず、僕には上京感がないというところから話を始めます。
いよいよ佳境を迎えるらしい朝ドラの『おかえりモネ』ですが、ここのところの主人公は自分がやりたい仕事のために東京へ出て、お天気お姉さんになってそれなりに周知された上で生まれ故郷の気仙沼に戻ってきているんですね。詳細はこちらをご覧ください。
でもってモネは、自分がやりたいことを果たすなら地元がいいと決断して帰京したわけですが、軽いバッシングに遭うのです。「東京で成功していたのに何で帰ってくるんだ?」と周囲は冷ややかな言葉を浴びせ、親友にすら「綺麗事にしか思えない」などと言われてしまう。大丈夫かモネ? と心配させる演出にハマりそうになりつつも、僕には地方~上京~帰郷の流れの中に潜んでいる心情を理解する要素がないので、ちょっとだけ置いていかれた感を覚えました。ドラマに対するクレームや批判ではありませんよ。どうあれ最後まで見届けるつもりでいますし。
東京で生まれて、千葉で育ったのちに神奈川に移って、今は東京に住んでいる僕は、いわば首都圏の子です。ゆえに上京の必要に迫られたことがありません。あるいは、一極集中による都会ならではのあれやこれやに驚く機会もなかった。こういう生い立ちだと帰属意識が薄くなります。たとえば宮城県出身の人が口にする東北人とか、はたまた熊本県生まれの人が九州人のプライドを語るような、地域に対する愛情みたいなものが芽生えたことがありません。そもそも首都圏の子って聞かないでしょ。
その心情が根差しているのは中途半端さです。都会への憧れもなければ、地元への執着もない。これはこれでなかなか詮無いものです。だからモネのように(一時的な懐疑に晒されようと)都会から戻ってきて「おかえり」と言ってくれる人や場所があるのは、子供の頃からうらやましいと思ってきました。
そういう気持ちを小説やドラマや映画で何度も抱かされ続けてきたってことは、どちらかと言えばこの世界には地方~上京~帰郷に共感できるものを持つ人が多いのかもしれません。首都圏の子が主役になる物語とか聞かないですよね。中途半端なんて、きっとおもしろくないよね。

007のテーマ曲の最後に使われるらしいEmM9。不穏な響きなのでスパイコードと呼ぶそうな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA