【60歳前後】は【6日】

10月も最後の日。2023年で言えば304日目。この日数経過に関してたいがいの大人は、「早いなあ」とこぼします。そう感じる現象を『ジャネーの法則』と呼ぶらしいですよ。
法則の発案者は、19世紀のフランスの哲学者、ポール・ジャネ。甥で心理学者のピエール・ジャネが著作で紹介したそうな。かなり有名なのですぐに検索でヒットすると思いますが、どこでも見られる法則の骨子を記してみます。
「人生のある時期に感じる時間の長さは年齢の逆数に比例する」
ちょっとややこしいですね。勝手にほぐしてみます。まず、「感じる時間」という点は、あくまで主観的な時間の長さを示しています。要は、1時間1分1秒の単位は原則的に不変なのに、「何でこんなに早く過ぎるかなあ」と溜息をつくのが「感じる時間」の罪作りなところ。
「年齢の逆数に比例する」。これ、単純に言えば半比例で、歳を重ねるほど時間が短く感じられるということです。年齢と1年の体感日数に関して、こんな数字を見つけました。
【1歳/365日】【10歳/37日】【20歳/18日】
「生まれて20年で20倍も早く感じられるのか?」というのは、いささか極端な気がします。ひとまずこの数字に従ってみると、【30歳前後/11日】【40歳前後/9日】【50歳前後/7日】で、僕が該当する【60歳前後】は【6日】らしい。となると10月末までの体感日数はわずか5日?
「そんなバカな!」が実感です。けれど『ジャネーの法則』が世紀を越えて語られている事実に鑑みれば、「だから日々を大切に」という諭しに重きを置いたほうがいいのかもしれません。
などと一旦健気な態度を見せつつも、「必ずしもそうじゃねぇ」とダジャレ混じりで反論したくなるタイミングもあるものです。僕の場合は、シンプルに仕事が減ったとき。別の言い方をすれば、締め切りが少ない時期。大人になれば予定を立てる機会が増え、その1タームの最後、原稿書きの僕なら締め切りを追いかけて日々を過ごします。その締め切りが多ければ1日が早い。なければ長い。この時点で今年を振り返ってみると、前半と後半で体感時間の長さが極端でした。まぁ、そういう年もあるのでしょう。
つべこべ言っても、明日になれば【60歳前後】の今年の残りは1日に感じてしまうらしいので、もはや毎秒単位を大事にしなければと気を引き締めていきます。

「早生」と書いて「わせ」と読む。気づかせてくれた和歌山の皆さん、ありがとう。

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