あなたと私の今日が順境に満ちていることを

上り坂で向かい風。いわば二重の逆境ってやつですね。
風が強くなるという天気予報を聞いた後で走り出したものの、コース前半の住宅街ではフォローもアゲインストも感じなかったから予報のことなど頭からすっかり抜け落ちました。ところが全体の半分あたりで差し掛かる、コース内のもっとも長い上り坂で足の動きが鈍くなり……。ここで正面から吹いてくるとはね。
とは言え強と呼べるものではなく、おそらく中よりは弱の範囲に収まる風なんです。にもかかわらず足が止まりかけるのは、そこが坂道だったというより自分自身の脚力に問題があるのでしょうね。それでもやっぱり苦しい局面でのネガな追い打ちには、マスクの中で思わず「なんだよぉ」と愚痴がこぼれてしまいます。どうせ吹くなら追い風でいいだろうとか。
ただ、奇妙なことにその長い上り坂では、毎回タイムが落ちないんですよね。場合によってはそこでのラップが区間最速になったりする。地形的に避け難い逆境なのに。
考え得る理由はこうです。スマホのアプリが1キロ単位でラップタイムを弾き出すその区間には、件の長い上り坂と、上り切った先に訪れる長い下り坂が詰め合わせになっているんですね。下りというのは勝手に速度が出る順境なので、そのスピードが相殺される形で好記録になるのだろうと。だからずっと上り坂だったら区間最速が出るはずはない。しかし、ずっと上り坂なんてコースが存在するのか?
というような体験が何かの教訓になるかなと思ったのですが、なりませんね。何しろ僕はそこに長い上り坂があるのを知っているし、なおかつその先の下り坂と合わせてラップタイムが向上する経験を毎回しているし。あるいは、そういう予定調和の逆境は本当の逆境とは言えないだろうし。
身構えるべきは、初めて見る今日のどこで長い上り坂に遭遇するかでしょう。そこでは向かい風にも襲われるかもしれない。そんな場面で普段のランニングが功を奏するものは、たぶんないんだろうなあ。いやまったく、あなたと私の今日が順境に満ちていることを願うばかりです。

正午前でこの日暮れ感ってのは、やる気を削がれませんか?

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