当たり前のことを

野球の話をします。ご多分に漏れず、大谷翔平選手の人気に釣られてメジャーリーグをテレビ観戦するようになったわけですが、彼が移籍したロサンゼルス・ドジャースが強い理由は、素人ながら数試合でわかった気がしました。
当たり前のことを当たり前にやる。たとえば、塁に出たランナーは必死に走って一つでも先の塁に進もうとする。あるいは外野手は、内野を越えてきた打球を丁寧に捕球した後すぐに内野に返球する。
え~と、このあたり野球に興味のない方に説明するのは難しいけれど、それらを強いて言えば、日本の高校野球でよく見られる基本に忠実かつ実直なプレーなのです。
僕が唸ったのは、優れた実績を持つ超有名選手であっても、そうした一見地味な作業に積極的に取り組んでいる姿でした。2020年にMVPを獲ったフレディ・フリーマンがそう。今年35歳になるのに、よく走るんです。
それからムーキー・ベッツ。2018年にMVPプレーヤーとなった彼は、今季から内野の要のセカンド(ないしはショート)へ守備位置を変えましたが、不慣れに納得できていないのか、シーズンが始まっても試合前に猛練習を重ねています。
要するに、手抜きをしないからスターになった選手が一向に手を抜かない文化がドジャースには根付いているのでしょう。ゆえにスター候補たちも基本を守った上で個性を発揮しようと懸命になるから、そりゃ強くて当然だと納得せずにはいられなくなるのです。
一方で、野球に生真面目な文化に馴染めない選手もいるでしょう。あくせくやらずとも一発豪快なホームランを打ったり、100マイルを越える球を投げたりすれば、それで十分勝てるじゃないかと。僕にしても少し前までは、そんな大味がメジャーの醍醐味だと思っていました。
しかし人間は生身なので、自分でも理由がわからない好不調の波が避けられません。だからこそ不調時でも心掛け次第でチームの勝利に貢献できることをやる。その小さく健気な献身が、1点を取り合う今日の試合内容を左右するとすれば、1年162試合では確実な違いとなって現れるのではないでしょうか。
今日の話、よく話す社長さんの言葉に端を発しています。「経営において、当たり前のことを当たり前にやるのがいちばん難しい」
当たり前って、何なんでしょうね。本日は、我が野球チームの今季2試合目。足はますます遅くなっているけれど、頑張って走ってみます。

ガソリンスタンド撤去作業。いつの間にか、ほぼ平地になっていました。

 

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