本格的なストレスになる

30代の頃ですが、運動する習慣があると話すと、よく「ストレス解消ですか?」とたずねられました。そのたび、「どうでしょう」と曖昧な返事をしていたのです。理由は、人が口にするストレスの意味がよくわからなかったから。
当時の僕は、ストレスをおおむね抑圧と解釈していました。それはプレッシャーだろうとおっしゃられるかもしれませんが、プレッシャーは瞬間的なもので、ストレスはプレッシャーの連続によって積み重なる精神的な負担と捉えていたのです。経験不足の若造という自覚があったので、そういうものを自分が抱えていいはずがないと、そんなふうに思っていたんですね。
もちろん日々の暮らしの中では、特に仕事においてはプレッシャーがかかる場面が多かったし、それらに上手く対処できないせいでプライベートの過ごし方にも支障が出たりもしました。けれどそれを問題としてしまえば、自分の対応下手を認めることになる。そこがどうしてもイヤだったのでしょう。
そんなこんなでストレスなど抱えている場合じゃないと自分に言い聞かせながら40代に入り、あるときふと、やっぱり運動はストレス解消になっているんだなと気づきました。ストレスの実態がつかめたわけではありませんでした。ただ、そのためだけに顔を合わせる仲間たちとひたすら動き回り汗をかくことで、あらゆるものがリセットされる感覚を発見したのです。
リセットされるということは、おそらく物事をスムーズに運ぶのを邪魔していた要素が取り払われる状況なのだろうと。であれば、こんな僕でも知らないうちにストレスらしきものの影響を受けていたのだろうと。何かにつけ体験的かつ事後的にしか自覚できない性質なので理解と納得に時間がかかりますが、良きにつけ悪しきにつけ、人が生きていくすぐそばにはストレスが寄り添うというのは、現時点の一つの結論です。
くどいようですが、ストレス発散という表現は今でも好きではありません。それが目的ではなく、選んだ運動を好きでやっているからです。ま、今となってはどっちでもいいんですけれどね。
そんなふうにして運動をリセットの依り代にしてきたのに、それができないというのは本格的なストレスになります。この週末も雨の影響で野球中止。これで3回連続。どうしようもなくウツウツ。どうやって解消したらいいんだ?

仕事終わりの河川敷。

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