昨日は北西にクルマで約3時間の山へ。気持ちいい広場の真ん中に栗の木が植わっていました。その真下にはイガ栗がごろごろ。落ちて割れた中には、マットなのに光沢のある実がパンパンに詰まってる。こういう感じだったよなと近づいて、めちゃくちゃ細いイガの先端だけをつまもうとしたら、これがすっと指先の肉に差し込むのです。血が出たんじゃないかと思うくらい痛くて、オレは本当にこういう感じを知ってたのかと、しばし自分の記憶の曖昧さを呪いました。
ではなぜ栗にはイガがあるのか? そんなに鋭利ってことは、動物に実を食べられないための防衛策と考えるのが合理的ですよね。その広場の持ち主は靴の裏でイガを割って実を獲っていたけれど、そんな器用な真似ができるのはたぶん人間くらいでしょう。ゆえにそれ以外の生物、たとえば木の実を好む鳥は容易に近づけないはず。
ところが、防衛策には反論があるようです。ゾウムシの一種はイガをよけて実に卵を産みつけるそうな。ゆえに完全な防衛には至っていないというのがその根拠。ただしそのゾウムシの一種は、イガが青さを保った柔らかいうちに産卵を済ますらしい。ということは、彼らだけは栗の生態を知っているんじゃないだろうか。なおかつ、やがてイガが硬くなったら完全無欠のシェルターとなり誰にも襲われず子孫を残せる技を代々受け継いでいるんじゃないだろうか。
結局のところ、なぜ栗がイガを持つのか、ある特定の虫だけがイガを避けられるのか、その真相を人間はつかんでいません。あくまで合理的な判断を下す他にない。
確かに、わからないことだらけですよね。よく思うのはタンポポの綿毛です。風に吹かせてここではないどこかに種を飛ばすための手段とされていますが、その成功を誰が見届けたのか。誰が次世代に報告したのか……。実に不思議。タンポポに直に聞いてみたいけれど、「まぁ、そういうもんだ」とかわされそうだな。
知っておくべきこともありました。栗の実とは、いちばん外側の鬼皮と、その内側の薄い渋皮を指すんだって。僕らが実だと思ってホクホク食べているのは、何と種らしい。栗っておもしろいヤツだな。何てことを調べつつ、へぇそうなんだとフムフムしながら帰ってきました。

地面に落ちるときにボゴッて音がする。かなり重いから。真下にいたら頭頂部に刺さるね。
