アイデアよりはうんと容量が小さいヒントすら転がっていかない思考停止に陥ると、まったくもって情けなくなります。直近の例では、PCのカメラです。現モデルを購入以来、まず利用することがなかったせいというより、レンズ部分にステッカーみたいなもんを貼ってしまってから、まともに映らなくなってしまいました。まぁ、それでも特に問題はなかったのです。昨年の春までは。
もはや説明するまでもなくリモートってのが普及し、僕の仕事領域でも取材のオンライン化が進みました。もちろん直接会って話を聞くほうがいいに決まっているけれど、この手法は一つの選択肢として今後も活用されていくのは間違いないでしょう。移動コストがかからない分、たぶん制作サイドはうれしいんじゃないでしょうか。
さておき、自宅にいながらのオンライン取材が行われる場合、そんなわけでカメラが壊れていてすみませんとお断りするのが通例となっていました。無礼は重々承知。ただ、聞き手が前に出る必要はないはずなので、業務上はそれでいいと思ってきたのです。中には「天の声みたい」とおっしゃってくれる方もいて、そういう優しさに甘えてもきました。
だから、新規でお仕事させてもらう予定の方が望まれたオンラインミーティングでも、「カメラが壊れていますがよろしいですか?」と何の躊躇もなく告げられたのです。そして「音声のみでも構いませんよ」と言ってくださるのもこれまでと同じ。そこで僕の思考は2日ほど停止しました。
ふと考えたのです。これからお仕事をいただくのに、自分の我を通すってのはどれだけ傲慢なんだと。ましてや声だけでOKをもらえるほどの喉をもっているわけじゃない。そもそも喋りの仕事じゃない。このままじゃ話は立ち消えになるんじゃないか? じゃ、どうする?
答えは実に簡単でした。ウェブカメラを買えばいいだけ。数千円で解決できる方法に気づけなかった自分を殴ってやりたい気分のまま、近所の電気屋へ走りました。
でもね、この段階では先方様にカメラが使えることを伝えていないんですよ。実際のミーティングでちゃんと顔出しできたら、これはこれで話のフックになるんじゃないかと、今はそんな小賢しい企みを抱えています。さて、どうなるでしょう。いやでも、顔で嫌われる可能性も少なからずあるのかな? リモートが広まって久しい今頃になってそんなことに悩むオレって、どう思います? 大丈夫って言ってほしいなあ。

窓越しの景色はどう見えるのかなあって。ま、三角なんだろうね。
