地震とおだし

10月28日は、日本における地震の特異日なんだそうです。その根拠となった4件がこちら。
【相模・武蔵地震】
878年(元慶二年九月二十九日)。相模トラフ沿いで発生したM8級のプレート境界地震の可能性あり。
【慶長三陸地震】慶長十六年十月二十八(1611年12月2日)。現在の青森県、岩手県、宮城県。さらには北海道にも被害が波及。千島海溝沿いで発生したM9クラスの地震の可能性あり。
【宝永地震】1707年(宝永四年十月四日)。東海・東南海・南海の3地域でほぼ同時に起き、西日本の広域で津波被害。49日後には富士山が噴火。
【濃尾地震】1891年(明治二十四年)。内陸直下では過去最大規模のM8.0が発生。死者・行方不明者は7,273人。明治以降最大の犠牲者を出した災害。
お気づきだと思いますが、【慶長三陸地震】の日付は旧暦なので、いささか語呂合わせの感が強いです。けれど、それを除いても約1000年間で3度も同じ日に大地震が起きたとなると、ただの偶然とは思えなくなります。だから特異日。ふむふむ。
ならば2023年の今日を迎える僕らはどうすればいいか? そう問われても、「ただの特異日なんでしょ?」と答える他にないですよね。もちろん、いつ起こるかわからない自然災害に対する備えと構えは大事ですが。
この地震特異日に関して、個人的に感じ入ることがありました。それは、今日が『おだしの日』でもある事実につながります。
出汁の代表格の鰹節。その燻乾カビ付け製法を考案したのが、和歌山県日高郡出身の二代目角屋甚太郎。この方、上記の宝永地震で亡くなったそうなんです。それを悼んで10月28日を『おだしの日』に制定したのだとか。
一方で僕はつい先日。近所の美味しい居酒屋さんで羅臼昆布の素揚げをいただきました。そんな食べ方は初めてだったけれど、サクサクと噛んだら口の中で昆布味がぶわんと広がり、こりゃ胃の中でめちゃくちゃいい出汁が出るなあと。何なら、かいた汗で鍋もつくれるんじゃないかと思ったくらいです。
いやいや、出汁と言ったって記念日のほうは鰹節なのですが、地震の特異日とも因果関係があったことを知って、素晴らしい発明をした先人に思いが至ったわけです。そういうところにも語呂合わせ的強引さが滲みますが。

軒先がたわわ。何だか美味しそうで、思わず手を伸ばしそうになった。

 

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