年度末の五十日にあたり

かつて五十日(ごとうび)と言えば、企業が納品や支払いに追われる日として道路が混むとされたのだけど、最近はどうですか。なおかつ3月25日となれば、五十日に加えて年度末最終週の始まりに当たるので、今日あたりはますますクルマで出かけないほうがいいのでしょうか。
そんなことも僕にはよくわかりません。わからないと言えば、年度末の予算使い切り。使い切れなかったからと、ここに至りむやみやたらに働くのは無計画な気がするし、予算が余ったなら翌年度に繰り越せばいいのに、きっとそういうもんじゃないんでしょうね。そのあたりの慣習や事情が本当にわからないので、いい歳なのに世間知らずにも程があると思わざるを得ません。
そんなこんなで、フリーランスの自分の仕事を一般的な事業会社風に分類してみたのです。ビジネス方針と将来的戦略の策定を行う経営陣。仕事の受注を請け負う営業部。税務や売上管理などを担当する経理部。自社製品のアピールに励む広告宣伝部。売るべき商品をつくり出す製造部。主軸はこんなところでしょうか。
そうして分類してみると、部署ごとの能力が白日の下に晒されますね。戦略などほとんどなく、およそ行き当たりばったり。ゆえに仕事の受注は先方任せなので営業部の機能はほぼ皆無。売上管理もかなりずさんで、確定申告が迫ってようやく慌てる始末。広告宣伝活動も特に力を入れた覚えなし。
そんな中で、唯一頑張っている自覚があるのは製造部だけ。とにかく良き原稿を仕上げようと日夜励んでいる……。
そんなふうにまとめてみると、素晴らしい製品をつくる技術はあるのに、社長が体たらくで営業も怠けている、下町の老舗工場みたいな感じです。いやいや、優れた技術があるなら、製造部だけでも買収話が出るかもしれません。そういう朗報が舞い込まないところを見ると、ここの製造部は口ほどでもないのでしょう。
いずれにせよ、普通の会社ならとっくに倒産していそうな状況でも何とか体裁を保っていられるのは、やはり僕が行っている事業が極めて小さいからに他なりません。あとは、運と縁。そんな説明では銀行は融資してくれないし、まっとうな企業体でもないから予算の割り当てもない。なので、「予算があっていいなあ」とか妬まず、あるいは世間の年度末に関係なく、今週もまた与えられた仕事に精を出していきます。

土曜日は新潟。車窓に雪景色。3月中盤になって、ぐっと冷え込んだそうな。

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